諸々,徒然… その一  さらば,愛しき「煩悩全開」キャラ
 
あたる,弥勒,そして八宝斎。

るーみっくには,えらく女好きの看板を背負っているメインキャラ(あたるに至っては,主人公ですよ!主人公!)がいますよね。男の一面を「素直」に露呈していると言えば聞こえはいいですが,裏を返せば,スケベそのもの。女性に対する煩悩が生きるエネルギーとなっているわけで,彼らには人目をはばかるという感覚が欠落してますね。この調子だと,あたるも弥勒も不惑の年(40歳)辺りから,「涼しい頭」になっているだろうな〜。八宝斎は既に「達している」けれど(^_^;)何のことかは,説明無用ですね。あぁっ,今かなりの数の女性を敵に回したか…(汗)。

とは言うものの,各々が持つ色合いは結構違ってます。

あたるは主人公らしい大らかさ(脳天気とも言う…)とともに,ふと垣間見せる優しさや,普段とは別人のようなストイックな面があったりしますね。ストイック?うーむ,ラムに対するそれは,照れ隠しと言い換えた方が当を得ているでしょうね。
弥勒の場合,背負っているものが他にも,それも,とてつもなく大きく重いものがありますから,人間としての陰,悲哀を感じさせるところを持ち合わせてます。それが,「弥勒さまに抱かれたい〜♪」という熱狂的女性ファンを一部(広範囲?)の間で生む要因になってます。何より男前(色っぽいby蛇骨)ですし…くそっ!(苦笑)

…で,八宝斎なんですが,彼の場合,その趣を随分と先の若者二人と異にしてます。外見はもちろんですが,作品の中のポジション,担っている役割のようなところが。
「貧力虚脱灸」のエピソードのように,主人公(つまり,乱馬ですな)の師匠の立場でありながら,修行の意味以外で主人公を苦況に陥れることを意図的にやっている,ズバリ「悪役」にあたるわけです。下着ドロという女性の敵でもありますしね。あたるや弥勒ほどメイン中のメインキャラではないし,ヤッターマンのドロンジョたちほど,毎回メインで話を掻き回しているというわけでもありませんが,それでも,主人公の身近で大きな「敵」が家族同様に生活しているというのは,かなり異色と言えるのではないでしょうか?

こんな希有なタイプのキャラが活躍(大暴れ)する姿,今後発表される作品で目にすることは,もう起こらないんじゃないか(つまり,八宝斎は空前絶後のキャラ!)と,勝手に思いこんでいます。るーみっくに限らず,少なくとも,サンデーなどの一般向け少年誌,地上波放送でのアニメのように,低年齢の子どもから目にできるような表現の場では…。犬夜叉アニメの場合,原作で残酷な印象を与えるシーンやかごめの胸が露わになるようなカットを,かなり「柔らかい表現にぼかして」いますよね。うる星やらんまのアニメとは,大違い!表現のアプローチでさえこれですから,表現の「触媒」となるキャラに至っては言わずもがなでしょう。「時代=人や世間一般の有り様」が変わったと言えばそれで終わりなんですが。

何と言っても,女性へのセクハラに対する認識の深まりが挙げられます。下着ドロボーはもちろんのこと,『すりすり』行為(これは,あたるも該当しますが)だって,一般の目は許してくれません。恋人レベルで好意を抱いてくれてる相手ならまだしも,普通に会話を交わす程度の親しさでは,完璧にアウトですよね。もちろん,現実社会のセクハラ禁止やジェンダー・フリー(男女間の性差別撤廃)が,いっそう推進されることには私も賛成です(フェミニストなわけではありませんが)。

社会の変化について,もう一つ記すことがあります。
「気をつけて!あなたの隣に変質者。」「善良な仮面の下でほくそ笑む悪魔の生け贄,次は君!」こんな川柳や狂歌を,私程度でもひねれるほど,21世紀になった現在では,性犯罪や男女間の愛憎に根付いた凶悪事件が至極日常的と言っていいくらいに頻発しています。「下着ドロ」ならば,まだマシ?いえいえ,より凶悪な犯罪を助長する元凶のひとつと見なされるのがオチです。

このような時代背景では,八宝斎に続くようなキャラは受け入れられるべくもありません

となると,スケベが「売り物」となるようなキャラの活躍できる舞台は,有料放送での専用チャンネルかOVA,さもなくばアダルトものしか残されず,視聴者のフィールドが狭まります。こうなってくるとオ○ク度が高くなる可能性が強まります。そうなると,一般の人々に「スケベ,オ○ク=悪」という偏見に近い認識(=誤解)を生み出す悪循環が加速する可能性が大きくなるわけで。スケベやオ○クそれ自体は,悪じゃないんですけど。ただ,スケベの場合,理性で抑えきれなくなった時,悪の衝動につながる(邪悪の鬼が取り憑かなくても)ことが,非常にやっかいな代物なわけで(-_-;)。

では,今,一般誌などで「煩悩全開」なキャラが登場すると,どうなるのか?そう,かごめを手にかけようとした挙げ句,殺生丸の手で一刀両断にされた霧骨。彼が,そのいい例でしょう。もう,滅ぼされるにしか値しないわけです。八宝斎とは異なり,「いかにも」という設定でしたし。
 

かくして,煩悩ゆえに成り立つキャラは消えてゆくのみ……。合掌!

 

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