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諸々,徒然… その六 パロディ・In・うる星やつら(2) 
 
前回,「うる星アニメには映画のパロディが目立つ」とか言っときながら,大変な書き落としに気付きました(T_T)。それも2つも!謹んでお詫び申し上げますとともに,コメントさせていただきます。

一つは劇場版1st,そう「オンリー・ユー」のクライマックス。教会での結婚式,今まさにエルと誓いのキスを交わさんとする(「交わされそうになってる」が正しいんですが)あたる。その時,教会内に響く「ダーリン,ダーリーン!」の声。あたるが目にしたのは,ステンドグラスを叩きながら必死に自分を呼ぶラムの姿!言わずもがな,ダスティン・ホフマン主演『卒業』のクライマックス・シーン
余りにもストーリー展開にハマりすぎていて,取り上げることはおろか,パロディであったこと自体,忘れておりましたーっ(滝冷汗)!
このシーン,「ラムーっ!」と涙ながらに叫んで両手を差し出すあたるの顔が何かブサイクだったり,抱き合った時のラムのルージュが不自然に濃かったりと,絵の仕上がりとしては「?」なところが多々あります。
が,引き離されていた二人が教会で再会するというストーリーの流れの中で,感動を盛り上げるには非常に効果的な演出になっています。ですから,絵の方には目をつぶって(^^;),展開自体は極めて上質なパロディであると個人的にはとらえています。

もう一つは,TVシリーズでスタジオぴえろ制作=押井守監督作品として最後のエピソードとなった「死闘!あたるvs面堂軍団!!」。あたるがモトクロスバイクで金網を飛び越えていくシーン(着地後,少しよろけちゃうところが逆に何ともgood!)を始め,スティーブ・マックイーン主演『大脱走』仕立ての展開となっております。これについては,もう何も申しますまい。恐らく,ほとんどの皆さんと私の見方は同じでしょうし。むしろ,私ごときの文筆ド素人のコメントなど目の芥,読むのが時間の浪費にしかならないと思います。少なくとも,この作品をご自身の中でTVシリーズの「最終話」として位置づけていらっしゃる方(かなりおいでるのでは?)にとっては…。


落書き009☆さてさて,前回書けなかった,うる星アニメ中の『サイボーグ009』パロについて。
私が確認した限りでは,OVAを含めて4作に登場しています。
それも,全てが『加速装置』ネタ!やっぱり『009=加速装置』なんですよねぇ(笑)
 

  • 前回にも書いた「ラムちゃんの理由なき反抗」…自主映画から飛び出した(?)竜之介が,友引高校に殴り込んできたウンババのテツとフランケン1号&2号を張り倒すシーン。この時,仕掛けに気付いたテツは「電子加速装置…!」とフルネーム(^^)で呟く。
  • 「激突!!女王陛下と愛のラガーマン」…2年4組,体育の授業。ラグビーの試合中に,サラシを巻いていない竜之介の胸を狙う男子生徒たち。竜之介包囲フォーメーション「地獄のクモ」(すげぇネーミング!)を鉄壁のチームワークで作り上げていく中,あたるが竜之介に最接近をかけるシーンで使用。ご丁寧に,あたるの髪型が009と同じに変わる(大笑)。
  • 「魔境転生 ダーリンはナニを考えてるっちゃ!?」…遭難したあたるたちが辿り着いた孤島の娘,あんずの想念が具象化された中に現れた化け物。その追撃から逃れるために,あたる,ラム,しのぶ,面堂と4人そろって使用。
  • OVA「電気仕掛けのお庭番」…了子が真吾を追いかけるために乗っていた駕籠に装備。追いかけていたはずがいつの間にか追い抜かれ(^^;),黒子に命じてスイッチON!
これらの中で,自分にとってのベスト・パロを選んでみましょう。
まず,論外と言えるのが「電気仕掛け〜」です。だって,自分自身が加速するんじゃなくて,駕籠のジェット・ブースターを起動させるわけなんですから。あれじゃ,加速装置じゃなくてアフターバーナーではないか〜っ!(怒)
「魔境転生〜」では,スピードアップはしても,それらしく見せるカットが弱くアウト
「理由なき反抗」は,起動直後に竜之介の姿が消えた位置に「斜線」を入れたり移動中に残像を見せたりと,かなり拘った演出に高得点。が,惜しいことに「あたるの映画から生まれた竜之介」が「戦いの中で使っている」ところから,ギミックとして当然という流れに行き着いてしまうのです。
で,結局のところ消去法的になりますが,「愛のラガーマン」のあたるに落ち着くわけなんですな,これが…(^_^;)ストーリー展開と照合して「必然性はないが無理もムダもない」し,髪型を変えちゃうとゆー遊び心大なところが心の琴線に触れまくりv(^o^)b

パロディのことで,『009』からこの「愛のラガーマン」のことに話題を移してみます(強引グ・マイ・ウエイ…)。ご存じの方もかなり多いと思いますが,このエピソードには,まだ有名な作品のパロディが盛り込まれていますね。そう『超時空要塞マク○ス』(これも殆ど伏せ字にならん… ^^;)。私は全く『マク○ス』は見てなかったのです(『マク○ス7』は隔週程度に見ました)が,女王軍つまり侵略側から見てあたるたち地球側は“巨大生物”という原作通りの設定をうまく生かして,『マク○ス』で地球と敵対する側が巨大だった(と思います)ことの“逆転状況”として描かれています。「プロト・カルチャー」という言葉さえ出てきますね(^^;)。あれって,『マク○ス』ではどちら側を指していたんでしたっけ?どなたか,詳しい方がおいでたら教えていただけませんか?

おっと,また大事なことを忘れるところでした。
「愛のラガーマン」には,気付かなくてもどうってことないけど,知ってるとニンマリするパロがもう一つありました。かの『○マト』(トマトでも,クロネコの宅急便でもない。宇宙戦艦です)からのものなんですが,ある意味結構オ○ク度が高いです(^^;)。
何かといえば,ラグビーボールと衝突して墜落した女王軍の宇宙船が艦内爆発を起こしますよね。そのシーンで,被害状況を報告する艦橋オペレーターの声がします。一人はメガネ役の千葉繁さんがアテてますが,その前に聞こえるもう一人がカクガリ役の野村信次さん。この野村さん,『ヤ○ト』で艦橋通信オペレーター相原の役をされてた方!だから,ヤ○トそのままに「第2エンジン冷却装置異常!」という声が聞こえた時は,思わず「はへっ?!」と漏らしましたよ,私。何せ,うる星以前はヤ○トにのめり込んでましたから…。何か得したような気分でした。
これは,“録音現場での遊び”なんでしょうけれど,絵でなく声のパロというのもなかなか粋だと思います。

「愛のラガーマン」は,スタジオ・ディーン制作としては2本目,原作を元にしたアニメでは最初のもの。さらに,元の原作は2つの別のエピソード。しかし,原作にあった“ラグビー”と“狙う側と狙われる側”という共通項を生かして上手く1本の面白い話にまとめていると思います。まぁ,ラストは尻切れ状態な上に,かなりスケベな展開が完璧に男の子向けではありますけれど…だから自分には好きな話?(苦笑)


スタッフ,キャストが“一丸”となって遊んだパロディといえば,「またまた純情キツネ!」に一言触れておかなければいけないでしょう。あまりにも有名ですものね。
神谷明さんがされていた『北斗の拳』(うる星と制作テレビ局が同じにつき,伏せ字なし ^^;)のケンシロウそのまんまの“北斗君”が2年4組の一員として登場。神谷さんご自身が「言いたいことはそれだけか…?」「あたたたた!」と,これまたそのまんまにセリフを言われていたのには,「ホントにいいの?これ!」とさえ思いました。
ん〜…。どうやら,このあたりがパロとして私自身が楽しめる臨界点のようです。
 

また,書く前に回を改めなければならなくなりました。
このままでは,2回分のスペースを要してしまいます。そう,パロディについて論じ始めた回の終わりでも予告した,自分としては“感心できない”パターンに全然触れていませんもの。
書き始めると,ずるずると伸びちゃうのいかんなぁ…。ポイントをしっかり整理して書けていない上に,要らん言葉が多い構成になっちゃう癖,直りません(-_-;)

少しネタをバラしますと,原作をアニメにした時に某有名アニメ映画を大いにパロった,「あのエピソード」のことなんですが…
 

 

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