諸々,徒然… その十二 うる星二次創作への向き合い方
 
うわわわわ〜〜〜っっ(大汗)
何とまぁ,もう丸々一年もの間,このコラム&エッセイ・コーナーを放ったらかしにしておりました〜(>_<;)
1年前にも書いたのですが,日記が半分以上コラム欄みたいな当サイトゆえ,片方すれば,もう一方ができず  。シングル・タスク型人間にも程がありますなぁ…。

そんな状態でありながら,今回久方ぶりの「諸々,〜」更新と相成ったのは,日記に記すには少しばかりクドかったり重かったりする点があることと,文量(分量)的なものから,日記上に何日かに渡って分散的に記すよりも当欄にて総括的に表した方が,己を見つめてみるには相応しいと考えたからです。
そう。今までにも何度か日記に書き記している,当方のうる星の二次創作の向き合い方。今回改めてこの場に表す目的は,拙文を読んでくださる奇特な方々に,当方の思いや考えをはっきり伝えたいということだけではありません。二次創作のネタにしている好きな作品のことを自分がどう思っているのかを,心の中にある鏡に映して自分の目で凝視してみることでもあるのです…。

当然のことですが,これから記すことはあくまで当方個人の,それも自分自身の創作に対する考え方であり,他の二次創作を行う方々の表現や創作姿勢等に対する批判などの意味合いは,一切含んでおりません。また,人様と自分の比較(良し悪しや優劣等)を考えたものでないことも,加えて記しておきたいと思います。


いきなり結論という感じになりますが,始めに当方なりのうる星を描く時の“指針”を,過去に日記などで記してきた内容などを踏まえ,今現在意識し続けているものを列挙しておきたいと思います。

1. あたるとラム,二人一緒でなければ世界は始まらない(^^)
2. 未来編を含め,「二度目の鬼ごっこ後」の二人を描く。
 (うる星と言いながら,完璧にあたラム・オンリー…^^;)
3. 二人の互いに寄せる思いや態度は,オリジナルを“原典”に発展させる。
 (とは申せ,当人の想いが多分に反映されていることは否定できません:笑)
4. オリジナルの世界観同様,キャラ重視で世界を展開する。
 (自分の想いを注ぐ際,キャラを極力崩さない   つもりでいますが…:汗)
5. 表作品と制限付作品(小豆庵もの)で,キャラ観・世界観を統一する。
  表現上から制限付き作品とする場合はあっても,あくまでキャラ優先の展開に。
  →制限付き作品の場合でも,俗に言われる「男性向け」の表現はしない。
  →突き詰めると,気持ちの上で,描きたい作品に表裏の区別はない。
 (この点,今のところ“形として”はっきり表せていない嫌いはあります >_<;)
まずは,以上のことを頭の片隅にでも置いていただいた上で,拙作(特に'02年夏以降)をご覧になっていただけるのならば,それだけでも十分有り難いことですvv


上で記した「1.」と「2.」については,当サイトのコンテンツ   拙作の傾向をつかんでいただければ,特に根拠となるものの説明を要しないと思います。恐らく引っ掛かってくるのが,「3.」〜「5.」の3つの内容でしょう。この3つ,自分の中では密接に関わり合っていて切り離すことが出来ません。オリジナルを尊重する立場の方は,多々おいでになります。しかし,所謂表作品と制限付き作品に関して,当方のような“線引き”をしている野郎というのは,極めて少数派なのではないかと思います。

そこで,ここからは,当方なりの見方「3.」〜「5.」の根拠になるものを記していきます。が…,それを知りたいと仰る“極奇特”な方にしかお勧めできません。何せ随分と捻れた意識に基づいているものですから,純粋に明るく健康的にうる星を楽しみたいという方には,“合わない”もしくは“解せない”ところが大いにあるのではないかと思います。読んでいただいた後,たとえ『気分が重くなった…』という状況でも,当方は一切の責任を負いませんので,その点くれぐれも自己責任でお読みください。

その根拠になることを表すことは,実のところ,当方にとってかなり気持ちが重くなるものなのです。自分の半生の中で一番辛かった,トラウマに近い経験を思い起こすことにまで遡る必要があるからです…(ここで,『あ!もうアカン…』と思われた方は,即引き替えされるのが賢明です)。まずは,そのことを簡単に書き出しておきましょう。

90年代の半ばに,仕事上のトラブルで,上司と一般企業で言うところのクライアントにあたる相手(一人ではなく,家族ぐるみで)の板挟みになったというか,掻き回されたというか…すっかり落ち込んでしまった時期がありました。その“トラブル発生”から一応の収束を見るまでほぼ1年の間(特に半年を過ぎるまで)に,田舎特有の“家”単位の諍いのようなものまで絡んできて事態が泥沼化した時など,肉体的にも勿論ですが,精神的に完璧に疲弊し切ってしまったこともありました。
上司と相手側の感情が先に立った“当方への攻撃”に昼夜・休日は無関係。お構いなく拙宅にかかってくる電話。上司宅に呼び出されては指示と説教を聞き,相手宅に出向いては対処の説明を行いながら事情を聞き,同時に文句を浴びせられる  ,そんなことの連続となる毎日でした。そして,私は,そんな中で徐々に“萎縮”してしまい,思うように動けなくなっていったのです。
実際は,当方側に直接落ち度なるようなことは全くなく,相手側の狂言にも近い勘違い(と言うのが分かりやすい)によるものだったのですが(ちなみに,事実が判明した後も,相手側の釈明のようなものは一切ありませんでした),途中,『消えてなくなってしまおうか…』の思いが過ぎったことさえ,冗談抜きでありました…。

そんな負の思いが膨張することを留まらせてくれたもの  。真っ先に挙げられるのは,何と言っても職場の同僚の,陰になり日向になっての温かな支えでした。一人では絶対に乗り切れなかったはずです。あの時に受けた“恩“は,おそらく一生掛かっても返し切れるものではありません…。
そして,自分の心の中にも,若干ながら『このままでは終われない,理不尽さに呑み込まれたままで消えて堪るか!』の思いが,二つの面でありました。一つは,仕事上やりたくて当時は手を着けてなかったものがあったこと。そして,もう一つ!それが,うる星を通じて何かを表してみたいとの想いでした。当時までに,片手間にラムあたメインでイラストを描いたり,年賀状のデザインに用いたり,ビデオ撮影&編集が趣味の柱だった頃には,お気に入りシーンを集めてミュージック・ビデオを作ったりといったことはして来ました。それまでにも,仕事を離れたところでの「大きな存在」であったことは,今と同じだったのです。
この辺りで,当方の“捻れた意識”が絡んできます。つまり,「心の中にいる旧知の友に危ういところを救われた」  状況が落ち着くに連れ,その想いが大きくなっていきました。某クリエーター様の言葉を借りれば,うる星は「人間の持つ負の部分にあるものが,前向きなエネルギーに転化・噴出した面白さ」を持った作品です。その人の負の部分(しかもかなりドロドロとした)に辟易していた当方にとって,あたラムを始めとして織りなされるうる星の世界は,命を支え心を潤してくれるものになったわけです。

『できることなら,“命の恩人”うる星に,自分で出来る何かで“恩返し”になるようなことを。そして,もっと自分のうる星観を深めていきたい』  大仰に言えば,そんな感じの想いを出発点に,PCを使ってイラストの仕上げをするようになり,1Pまんがを描き始めたのが,今から6年前の夏を迎える頃でした。
そして,それ以降,文通やWebによって“同志”な方たちと交流を深めるようになり,同人誌に寄稿させていただいたり,自分のサイトを開設したりして,特にあたラム観を深めて(そのつもり…)現在に至っていることになります。


もう既に,うる星二次創作の当方なりの指針「3.」と「4.」の根拠にあたることについては,その“シッポ”が苦い経験から現在に至るまでの間に,出ているのではないかと思います(もしかすると,「1.」や「2.」も)。そして,「5.」についても…。

二次創作もしくは同人活動に強い興味を持つ人以外にとってはアブナい意識かもしれませんが(そもそも,ここを読む人には心配御無用?^^;),“旧知の友”であり“命の恩人”である存在に等しい「うる星」,そしてあたるとラムでは,当方なりに幸福感を味わえる「その後」を描いてみたいのです。脱線することや道草をするようなことが時折あるとしても!そして,その際,距離の縮まり=二人の進展を表すにしても,当「諸々〜」で記したように(「I Wanna Hold Your Hand!」参照),温かく互いの手を握ることの深まりが心と体の重なりに繋がる  ,そんな表し方をしたいと常々考えているのです。
別段,あたるとラムでなくてもいい,単にポルノ的(男女愛よりも性愛がメイン,もしくはオンリー)なものは今まで描いたつもりはなく,今後も描くつもりはありません。野郎としてきれい事を言うつもりはありませんよ(^^;) でも,例え自分の妄想の中であっても,己の劣情を満たすような目的で,旧友であり命の恩人であるような相手に対して,『単純にムラムラしたいから,脱いでくれor絡んでくれ』なんてこと,私は言えませんし言う気も起こりません。
確かに,性愛は男女愛を深めるものではありますが(そこは,きっちり認めております),単にそれだけでは,『何だかな〜…』なんです,特にうる星に臨む際の私には!性愛に溺れてる,突っ走ってる“だけ”のあたるやラムは,どうしても思い浮かべることが出来ません…(-_-;)

「5.」の根拠になるようなこと,読んでくださった方には,これで伝えることが出来たでしょうか…?見かけ上,エロい雰囲気になるような作品であろうとも,そこに表したいのは,あたるやラムの態度の奥にある心の動きの側なのです。しかし,どうも,その辺を表しきれるだけの腕前ではまだないみたいなのが,情けないところですが(T_T)
「小豆庵」を設けているのは,自分自身になら兎も角,自分の知らないところで表現上のことから困ったことが起きるのは絶対嫌だから,です。できることなら,どの作品にも制限は付けずにおきたいのですが,現状ではそうもしていられないのが,辛くもあるわけで…。


自分の創作に臨む際の胸の内を,ここまで明かす必要なんてないのかもしれません。ある意味,大バカなのかもしれません。表現のフィールドを自ら狭めて,それを公表しているわけですから…。
でも,サイト上で作品を公表し大勢の方に見ていただくようになり,そして,二次創作を行う多くの方々と遣り取りを重ねるようになってから,〜『自分の好きなキャラ・世界を描くからこそ,自分の心を偽ったり,想いに蓋をしたりするようなことは,したくない!』『描いた内容ばかりでなく,描く際の想いの根っこぐらいは解ってもらいたい…』〜こんな意識がどんどん膨らんでいったことも,また確かなのです。
今回の,いわばフリートークを読んでくださった方が,どうお考えになるのかは正直不安なところがあります。ただ,賛同を求めているわけではありません。何はともあれ,現在の当方の考えを知ってもらいたい  ,その気持ちから,今まで曖昧模糊としていた部分や自分としては痛い部分を含め,文章の形にまとめてカミング・アウトしてみました。

この後,まんがやイラストなどの拙作を,どのように受け取られるかは,見てくださる方々お一人お一人の胸の内に委ねるばかりです。ただ,こんな考え方で創作に臨んでいるバカが一人,今のところ現世にいるということを知っておいていただけることは,それだけで有り難いことです。そして,何より本拙文を最後まで真剣に読んでくださった方には,心から申し上げます。「本当に,ありがとうございました  

 

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