諸々,徒然… 番外編  After Beautiful Dreamer  〜1〜
 
気が付けば,8月も残すところ1週間を切りましたね。学校に通われている方 には,そろそろ残った 宿題の多さに頭を抱える時期でしょうか?いえ,私自身がそうだったので(^^;)それとも,そんな子供じみた(小学生と同レベル…;;)悩みではなく,夏の間に育てた 恋の行方に胸を焦がしているとか?もしかしたら,『日焼けの跡が消える頃,この恋の傷痕も癒えるかしら…』なんてLOVEマインドの秋モード(ファッション業界みたいな語感 ^^;)に入ってらっしゃる方もおいでるかも。このあたりは,学生さんに限ったことではないでしょうけれど…。
いやいや,冬将軍が瀬戸内や関東より急ぎ足で,しかも強い足並みでやって来るというところにお住まいの学生の方には,「2学期?もう始まっちゃったよ〜っ(T_T)」といったところですよね。
それはともかく,新学期が始まり秋ともなれば,文化祭や学園祭シーズンの到来!修学旅行や体育祭などと並び, 輝ける青春の1ページを飾る一大イベントですなぁ〜!!かく言う私めも,高校の文化祭に関しては忘れがたい想い出 があります。そして,うる星でもご存じの通り,学園祭を舞台にした不朽の名作,劇場版「 ビューティフルドリーマー」(以下,BD)がありますよね♪

さぁ,そこで今回はですね(やっと進んだ…),私めの高2の文化祭の想い出に関して,その 登場人物をうる星キャラに置き換え,我が母校を友引高校として語らせていただこうという,ある種破天荒な私小説になっとります(ぎょえぇっっ!大丈夫なんか?おい…)。
物語を進めていく前に,主な登場人物がどのキャラに割り当てられているかを説明しておきましょう。 
 

→ メガネ (高校の文化祭では1,2年ともにステージ・ミキサーを担う。 早い話,
 裏方として主役を引き立てることに心血を注いだわけである。)
友人1
→ あたる (私をBeatles好きにした張本人。放送部員&歌作りの相棒。
 高校から始めたBeatlesコピーは,今やプロ級♪現在,千葉在住)
友人2
→ 面堂 (私にQueenを紹介した弓道部員。中学時代,他県から転入。
 部外者ながら,放送部によく出入りしていた。現在,神戸在住 )
友人3
→ パーマ (放送部員。中学1年からの付き合いでバリバリの理系。
 現在,東京にて某大手総合家電品メーカーの室長として活躍中。)
友人4
→ チビ (放送部員。当時の仲間内では1番アニメに造詣が深かった。
 現在,臨床検査技師として地元病院にて勤務。)
友人5
→ カクガリ (中学からの遊び仲間。高校では下宿生活をしていた)
友人6 →左門豊作 (爆:うる星キャラではないが,あまりにもハマる風貌なので… ^^;
 生徒会役員の一人で,根っからの善人。)
あと,花和先生に「お世話になったお二人の若手先生」をまとめて受け持ってもらいます。

ナンか,滅茶苦茶ムサ苦しい顔ぶれですな(^^;)主だった顔ぶれに女子はいないし(汗)それと,若干の脚色はあっても,あくまでも記憶に基づいた 事実にそった展開となっておりますから,うる星キャラ自身と違う雰囲気のところが多分にあります。そのあたり,前もってお断りしておくとともに,ご了承いただきたいと思います<(_ _)>

それと,今回の話,のっけから文化祭が終わった後の場面から始まります。そう,文化祭それ自体よりも,その 後の出来事の方が私には一生忘れられないであろう強烈な想い出になっておりまして…

ンじゃ,題して『After Beautiful Dreamer』,始まり始まり〜と参りましょうか☆
 


【第2のプロローグ】

終わった!友引高校の2日間にわたる文化祭は無事にその幕を下ろした。えらく準備に手間取った気がしたが,始まってしまうと ノンストップの映画を見ていたようでもあった。

我が2年4組は模擬店 にお化け屋敷を 設営,私の所属する放送部でも音楽喫茶を出店,当の私自身は2日間とも終日に於いてステージのPA(音響)を一手に引き受け,とても 文化祭自体を楽しむといった余裕は,肉体的にも精神的にもなかった
そこに存在したのは,文化祭を成功させるために 己に課せられたことを果たそうという強い使命感,というより,例えスポットライトが当たらない縁の下の力持ちであろうと,自分が文化祭の成功の鍵を一つ間違いなく握っているのだという, 演出側に身を置く者としてのプライドだった!
だからであろう。全日程終了と共に,成就感と安堵感そして心地よい疲労感が大きな波となって心と身体へ一気に打ち寄せてきた。反面,もう少しの間『祭り』の賑わい,集い楽しむ人々が放つ“集団オーラ”とでも呼ぶべき一種独特の雰囲気の中で,自分の力を発揮したかった。そんな一抹の“祭りの後の淋しさ”を感じていたことも,また確かである…。

いずれにしても,我々2年4組の放送部員は,生徒会役員と共に文化祭の成功を祝い自らの労をねぎらい合うため,文化祭実行委員会顧問である花和先生が住む教員寮へと歩みを進めていた。早い話,先生の部屋で 打ち上げパーティーをぶちかまそう!というわけだ。押し掛けで行うわけではない。事前に先生と話はつけていた。
教員寮へ向かいながらの道々,我々は 移動反省会よろしく今回の文化祭に対する自らの取り組みについて話し合った。

「あたる!お前がギター弾いてオレが録った,お化け屋敷用の効果音入りBGMだがな…」
「ん?なんじゃい,メガネ」
「始めの方は“いかにも”な雰囲気になっとったが。…後半ネタに困って,『She Loves You』を幽霊っぽく演(や)ったのは,ちょっとマズかったんじゃないか〜?」
「そうか?あれは,あれでクラスの連中にも結構喜ばれとったようだが…」
「ははは!諸星のビートルズ好きとセンスの面白さは,全くもって脱帽ものだな〜♪」
面堂のやつが,嫌味なくらい爽やかな口振りで話に割り込んできやがった!
ったく,こいつときたら今回の実行委員でもないくせに,なんでオレ達と一緒におるのだ?
まぁ,部外者のこいつが我々放送部のすることに首を突っ込んでくるのは今に始まったことじゃないから,いちいち直接文句をつける気にもならんが…

「そーいえばよぉ…」
「どうしたんだ,パーマ。オレの知らんところで何かあったのか?」
そう,2日間とも体育館のステージPAにつきっきりだった私は,クラスのお化け屋敷も,部の音楽喫茶のことも,期間中の様子については,皆目と言っていいほど知らなかったのだ。

「いや,しのぶが幽霊役やる時にさぁ,白装束になってただろう?」
それなら知っている。前日,模擬店の準備状況を確かめに行った際,試着した姿を目撃した。あれでメイクをすれば,なかなか似合うはずと感じた。もっとも,絣(かすり)や紬(つむぎ)の着物だったら,幽霊じゃなく『座敷わらし』そのものだったろうが。

「本番の時にゃTシャツも着ないで,下着一枚の上に直に着てたようだぜ。」
なに〜〜っっ?!立ち止まったのはオレだけではない。いや,それだけでなく,オレなど比べものにならないくらい,あたると面堂の肩が“ビクン”と大きく揺れた!
「それ,オレ知ってるー。なかなか色っぽかったよな〜♪」
「あぁ!オレも見たが,ありゃ〜光の当たり具合次第で,スケスケだったんじゃないか?」
チビとカクガリが嬉しそうに思い出しながら続けた。こいつら,自分たちがラムさんの親衛隊であることを忘れとるんか?

私は,彼女の本番での幽霊姿が見られなかったことを少し残念に思う反面,幽霊役がラムさんでなかったことにつくづく安堵しながら,顔を俯けた。
もし,ラムさんがしのぶと同じような姿でいたとしたら,この目にしかと焼き付けたいという欲望とステージPAをやり遂げることへのプライドとの間で,自己崩壊を起こしていたに違いなーーいっ!!!
…が,しかし!そんなことを考えた自分が,直後ほんの少し恥ずかしくなった。よくよく考えてみたら,普段のラムさんの姿も刺激的ではないか!煩悩を振り払う気も込めて顔を上げてみた  

目の前では,あたると面堂が,二人並んで空を見上げるようにしながら両の拳を堅く握りしめ,小刻みに肩を震わせていやがる…。
こいつらが今考えていることを想像するのは難くない!…ったく,歩く“煩悩大全”めらが!!

二人の表情,想像してみてください♪

そんなこんなで会話を進めているうちに,教員寮に到着した。
この数時間後に訪れる事態について,予想できた者はおろか,頭のホンのすみにでも思い浮かべた者さえ,この中の誰一人としていなかったのである。
そう,まさか,あのような出来事が起きてしまうとは…


以下,パート2へと続きます…(^^;)

 

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